ターボ冷凍機の冷却水制御

冷却水供給温度は、冷凍機の効率に直接影響を与えます。例えば冬季や中間期には冷却水温度を下げた運転を行い、ターボ冷凍機の効率を向上させ消費電力を削減します。しかし、冷凍機の運転にはポンプや冷却塔の運転も必要です。最適な省エネには、冷凍機のみではなく、システム全体の効率に目を向ける必要があります。

1. 冷却水温度の下限値の考え方

冷凍機の安定運転には蒸発器と凝縮器の圧力差、つまり冷水出口温度と冷却水出口温度の温度差が必要です(圧力差、温度差には、メーカーや型式により若干の違いがあります)。冬季などは、運転開始後に温度差がないことがありますが、運転を継続するにつれ冷却水温度が上がり温度差がとれます。

冷却水温度下限値に関して、多くは入口温度で議論されますが、実際には出口温度が問題になります。例えば、冷却水流量を減らすことで、同じ負荷であっても冷却水流量100%時と比べれば、冷却水入口温度が低くても冷却水出口温度は上がることになり、冷凍機の運転はより安定すると言えます。

2. 冷却塔

下記の図1は外気湿球温度と冷却塔のアプローチ温度(外気湿球温度と冷却塔出口冷却水温度の差)の関係をあらわした一例です。湿球温度が下がるとアプローチ温度が大きくなることがわかります。

例えばこの図で、外気湿球温度が10℃の場合、冷却塔負荷が100%時にアプローチ温度は約8℃であり、冷却塔出口の冷却水温度は18℃になります。冷却塔負荷が50%であればアプローチ温度は約5℃で、冷却水温度は15℃になります。冬季に思ったほど冷却水温度が下がらないという声を耳にしたことがありますが、その理由はこのアプローチ温度の変化です。

冷却塔アプローチ温度

また、冷却塔ファン風量と冷却塔能力は比例します。そのため、冷却塔能力に比例し冷却塔ファン風量をインバータ制御することで、図2の曲線のようにファン動力を低減することができます。例えば20%風量を下げると、約50%のファン動力低減になります。

冷却塔能力

3. 冷却水ポンプ

図3は冷却水流量と冷却水ポンプ動力の関係をあらわしたものです。この図から、冷却水流量を下げると、ポンプ動力が低減することがわかります。尚、Min流量は使用する冷凍機によって変わります。

冷却水ポンプ動力の例

4. 冷凍機

図4は冷却水流量変化時の冷凍機消費電力をあらわしたものです。冷却水流量が減るとポンプ動力が低減できますが、冷凍機の消費電力は増えます。

同負荷で運転する場合、冷却水流量が減ると冷凍機からの冷却水出口温度が上がり、冷凍機の凝縮器圧力が上がることで冷凍機の消費電力が増えることになります。また、冷却水温度が下がると、冷凍機の効率が向上することはよく知られています。特に、インバータターボ冷凍機の部分負荷運転時は大きな効率向上となります。

冷却水流量変化時の冷凍機消費電力

5. 冷却水システムでの検討

トレイン製のターボ冷凍機で、冬季に冷却水温度が10~12℃程度で運転されているものもあります。冷凍機の効率は向上していますが、冷却塔や冷却水ポンプを含めたシステム効率で見るとどうでしょう。冷凍負荷や外気条件が変動するなかで、単に冷却水温度や流量を制御することでは決して省エネになっているとは言えません。外気湿球温度が20℃を超え冷凍負荷も大きな条件では、冷却塔ファンおよび冷却水流量を100%で運転し、より冷却水温度を下げることでシステム効率は向上します。しかし、外気湿球温度がさらに低下した条件では、冷却塔ファン回転数と冷却水流量を適切に制御する必要があります。

下記の2つのグラフは、外気湿球温度が10℃条件におけるシステム合計消費電力(冷凍機+冷却水ポンプ+冷却塔)の負荷の違いを比較した例です。

図5は冷凍機負荷70%、図6は冷凍機負荷が30%です。

システム合計消費電力

冷凍負荷70%の図5では、最も効率の良い運転ポイントは冷却水流量90%で、冷却塔ファン回転数80%時になります。一方、同じ外気湿球温度でも冷凍負荷が30%になると、冷却水流量は70%もしくは80%で、冷却塔ファン回転数60%時が最も効率よくなります。

6. 冷却水最適化制御

前述のとおり、冷却水システムは単に温度や流量の制御ではなく、システム全体の最適な制御が必要です。しかし、外気湿球温度や冷凍負荷が刻々と変化するなかで、冷凍機の安定運転を継続しながら、最適なポイントを探し冷却塔ファンや冷却水ポンプの制御を行うことは容易ではありません。トレインは、冷凍機の安定運転を第一優先としながら、最もシステム効率の高い運転の継続を可能にする冷却水最適化制御方法をご提案いたします。

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