平成30年度(2018)フロン排出抑制法に基づくフロン類の再生量等及び破壊量等の集計結果

2015年4月に施行されたフロン排出抑制法に基づき、毎年度、第一種フロン類充塡回収業者は、前年度にフロン類を充塡、回収、再生した量、第一種フロン類再生業者やフロン類破壊業者に引き渡した量等を報告することが義務付けられています。

2019年7月18日に経済産業省から発表された、それらの報告の集計結果について概略をまとめます。

 

1. 背景

2015年4月1日に施行されたフロン排出抑制法では、次の5つの取組みが求められています。

(1)フロン製造業者等の取組み

(2)指定製品製造業者等の取組み

(3)第一種特定製品の管理者の取組み

(4)第一種フロン類充塡回収業者の取組み

(5)再生・破壊業者の取組み

今回報告された内容は、上記(5)のフロン類再生・破壊業者の取組みとして、その報告内容が経済産業省より公表されました。

今回の報告のうち、平成30年度のフロン類の再生及び破壊量等の集計結果を取りまとめたものを抜粋してご紹介します。

2. 平成30年度のフロン類の再生量について

 

1)再生量の概要

第一種フロン類再生業者が再生したフロン類の再生量は、約1,351トンとなり、平成29年度の再生量の約1,295トンと比較して4.3%増加となりました。

 

2) 引取量及びフロン類破壊業者への引き渡し量

第一種フロン類再生業者が引き取った第一種特定製品から回収したフロン類は、約1,406トンとなり、平成29年度の約1,309トンと比較して7.4%増加となりました。一方、再生されずにフロン類破壊業者へ引き渡したフロン類は約37トンとなり、平成29年度の約40トンと比較して5.3%減少となりました。

フロン類の再生量等の集計結果(平成30年度分)

図1 フロン類再生量の推移

フロン類再生量の推移

3)種類別の再生量

フロン類の種類別における再生量は、CFC(クロロフルオロカーボン)が約23トン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)が約846トン、HFC(ハイドロフルオロカーボン)が約481トンとなり、平成29年度と比較してCFCの再生量は24.2%減少、HCFCの再生量は1.5%減少、HFCの再生量は18.9%増加という結果となりました。

図2 フロン類の種類別再生量

フロン類の種類別再生量
フロン類の種類別再生量の内訳

3. 平成30年度のフロン類の破壊量について

 

1)破壊量の概要

平成30年度にフロン類破壊業者が破壊したフロン類の破壊量は約4,364トンとなり、平成29年度の破壊量の約4,543トンと比較して3.9%の減少となりました。

 

2)特定製品別の引取量

フロン類破壊業者が引き取ったフロン類の量を、フロン排出抑制法による特定製品別に見ると、第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)から回収したフロン類(※1)は約3,649トンで、平成29年度の約3,803トンと比較して4.0%減少しました。第二種特定製品(自動車製造事業者等及び指定再資源化機関)から回収したフロン類(※2)は約723トンとなり、平成29年度の約726トンと比較して0.4%の減少となりました。

 

※1:フロン排出抑制法に基づき、平成27年度分から「第一種フロン類再生業者からの回収分」が追加された。

※2:平成26年度まで「カーエアコン」と標記していたもの。フロン類の回収は、平成17年1月から「使用済自動車の再資源化等に関する法律」に基づいて実施されている。

フロン類の破壊量等の集計結果(平成30年度分)

図3 フロン類破壊量の推移

フロン類破壊量の推移

3)種類別の破壊量

フロン類の種類別に破壊量を見ると、CFC(クロロフルオロカーボン)が約116トン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)が約1,786トン、HFC(ハイドロフルオロカーボン)が約2,457トンとなり、平成29年度と比較してCFCの破壊量は6.2%減少、HCFCの破壊量は12.3%減少、HFCの破壊量は3.3%増加しています。

図4 フロン類の種類別破壊量

フロン類の種類別破壊量
フロン類の種類別破壊量の内訳

平成30年度分の、第一種特定製品から回収したフロン類の回収量等については、全国集計結果を取りまとめた上で本年中に公表される予定となっています。

 

【出典】経済産業省「フロン排出抑制法に基づくフロン類の再生量等及び破壊量等の集計結果(平成30年度分)を取りまとめました