100%再生可能なエネルギーによる事業を目指す国際イニシアチブ「RE100」

地球温暖化による気候変動という地球課題に対して、世界にはさまざまな取り組みがあります。その中でも、「RE100」という今後日本でも注目されることが予想される国際イニシアチブをご紹介します。

RE100とは

Renewable Energy(再生可能エネルギー)100%」の頭文字から名付けられた国際イニシアチブで、国際環境NGOの「The Climate Group」によって2014年に開始されました。2017年7月現在では、100%再生可能エネルギーで事業運営することを目標に掲げる企業96社が加盟しています。

主な加盟企業

米国のグーグル、アップル、マイクロソフト、ユニリーバ、ナイキ、スターバックスや、ドイツのBMW、スイスのネスレ、スウェーデンのイケアなど、日本でもおなじみの企業が多数RE100に加盟しています。また、欧米だけでなく、インド、中国、日本などアジア地域から加盟する企業も増えつつあります。日本からは2017年4月にリコーが加盟し注目されています。

RE100国別企業数(2017年1月31日時点)

RE100とは

出典:  Sustainable Japan Https://sustainablejapan.jp/2017/02/01/re100/25334

RE100への加盟は実践を伴う必要がある

RE100の特徴として、加盟企業が自社の事業を再生可能エネルギー100%で運営していくことを宣言するだけでなく、具体的な目標年を掲げ、目標達成へ向けた活動を毎年報告書として事務局へ提出していることが挙げられます。再生可能エネルギーの定義は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスで、原子力発電を除きます。また、調達方法は売電事業者から購入する以外にも、自社で行う太陽光発電等があります。

加盟企業の宣言

RE100に加盟している主要企業の宣言概要を紹介します。

リコー

2030年までに少なくとも30%の中間目標を達成し、2050年までに100%再生可能電力を供給するという目標を設定。

P&G

2020年までに再生可能エネルギーの30%を供給するという短期的な目標を設定。

hp(ヒューレット・パッカード)

2020年までに再生可能電力を40%調達するという暫定目標を設定。

マイクロソフト

既に2014年以降、再生可能エネルギーを100%活用している。

コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ

2020年までに100%再生可能電力ですべての事業に電力を供給。

H&M

自社利用のグローバルでの電力需要を再生可能エネルギー100%に切り替える、と公表し、2016年に再エネ率96%を達成。

バーバリー

2022年までに再生可能エネルギー100%を達成し、事業全体に電力を供給。

出典:RE100 http://there100.org/companies

日本企業の状況と今後の期待

日本の状況を見てみると、再生可能エネルギーを活用するための環境は徐々に整ってきてはいるものの、RE100のような具体的取り組みについては、他国に比べ積極的とはいえないのが現状です。その原因の一つと考えられるのが、再生可能エネルギーのコスト高にあると言われています。

このような中、持続可能な脱炭素社会の実現を目指す日本独自の企業グループ「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan-CLP)」が「The Climate Group」とパートナーシップを結びました。Japan-CLPにはリコー、イオン、佐川急便、オリックス、キッコーマン、富士通など約40社が加盟しており、日本企業のRE100加盟を支援すると発表していることからも、今後の日本企業の加盟が注目されています。