建物の予知保全:IoTによるHVACシステム自動化の将来

技術によって設備の不具合を事前に予知することができたら、より安心・安全な設備の管理が実現するのではないでしょうか?IoT(モノのインターネット)時代では、この様な予知保全が可能となります。

IoT市場は全業界で2015年の9億ドルから2020年までに37億ドルに成長すると予想されています(*1)

スマートテクノロジーの普及により、テレビ、冷蔵庫、オーディオ機器など、私たちが日常的に使用するものの多くに、それらをより便利に利用するためのインターネット対応センサーが備わっています。 これは21世紀の流行という考え方もある様ですが、IoTはHVACを含むすべての業界でビジネスの成長を牽引しています。

IoTの急成長

世界におけるビルディングオートメーションと制御システムの市場は、2017年から2021年にかけて9.52%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予想されています(*2)。この急速なIoTの普及により、建物のオーナーや管理者は、電力、セキュリティシステム、照明、家電製品、そしてHVACシステムの状態をデータ化し、施設を管理することが可能となりました。データを正確に収集し分析することは、設備の大幅な省エネに寄与しています。

超音波技術、電磁誘導、振動解析、赤外線サーモグラフィなどの最新技術は、機器の故障をリアルタイムで予測することに使用されています。 これにより、建物の所有者や施設管理者は、事前に機器の故障を予測し、メンテナンスコストを最大25%削減することが可能であると予想されています(*3)。また、予知保全を行うことにより、突発的な設備の故障が約70%削減され、設備の停止時間を最大50%短縮可能とされています(*3)

この様に、予知保全はIoT活用の次の段階と考えられています。 予知保全を始めるために、建物にデータ収集システムを導入し、データを効果的に分析するための3つの重要なステップを以下にご紹介します。

1. スマートテクノロジーの導入

スマートテクノロジーを導入すると、設備の状態に関するデータと情報を常時収集し評価することができます。 HVACシステムの場合、機器の稼働頻度、施設の使用時間、また、各設定値を基準としたデータの測定と分析が行われます。ワンパターンの対策が万能ではないと考えるパートナーを持つことは、建物の所有者や管理者の目的や目標達成に向けた取り組みに最も適したソリューションを構築することに役立ちます。

2. 主要な設備のデータ収集

HVACシステムにとどまらず、建物の全ての設備を監視、管理するために、様々な技術が用いられています。この様な建物を「コネクテッド・ビルディング(接続された建物)」といいます。建物のオーナーは、建物の状態と運営状況の全体像を把握することのできる情報を必要としています。常時収集され蓄積されたデータは、建物の性能評価とメンテナンスを行う際に収集されたデータと比較するためのベースラインとなります。

3. データを分析し、改善計画を立てる

ユーザーは、システム画面やモバイル端末などを介して、収集されたデータを分析することができます。リアルタイムで表示されるデータは、建物の性能を確認することや、運転の調整や問題発生時の対策を迅速かつ効果的に行うことができます。 建物の所有者や管理者は、データの遠隔監視により、時間や場所を問わず正確な情報に基づいた判断を下すことができます。 表示されるこれらデータは、様々な建物の状況に応じ、各ユーザーに合わせてカスタマイズすることができます。

エネルギー使用パターンを数値化し、設備の性能を時系列にマッピングすることは、予測分析の行う上で必要なことです。 また、経験とノウハウが豊富な信頼できるパートナーと共同で取り組むことにより、どのデータをどの様に用い、どの様に分析することがその建物にとって最適な予知保全を行うことができるかを判断することに役立ちます。トレインは、設備の運転・管理コストが問題となっているお客様向けに、スマートテクノロジーによる予測分析サービスを提供しています(*4)

一例として、トレインは、クロスタウンコンコース(*5)の施設運用コストを削減するための大規模プロジェクトの一環として、予測分析サービスを行いました。 トレインは、クロスタウンコンコースの90年以上経過した設備を再設計し、HVACシステムの更新、最適化を行いました。

最終的に、クロスタウンコンコースはデータ収集による建物のエネルギー使用状況とともに設備の性能を診断し、省エネ目標を達成することが可能となりました。

パートナーとしてトレインをご選択いただければ、設備の能力と状態に基づき、どのデータをどの様に分析することが省エネに必要か判断することができます。また、予知保全が必須となる時期の決定と、状態、性能監視システムを構築することができます。今後IoT技術は長期にわたって利用することになると予想されますので、スマートテクノロジーの選定と、将来に向け、どのデータを監視し分析することが必要か?ご検討されることをおすすめ致します。

【出典等】

(*1) Internet of Things (IoT): market potential + trends in 2017 and beyond

(*2) Global Building Automation and Control Systems Market 2017-2021

(*3) Are your preventive maintenance efforts wrenching away precious resources? Time to listen to your machines.

(*4) トレインが米国で行っているサービスです。現在日本では当サービスのご提供は行っておりません。

(*5) 米国テネシー州メンフィスにある1927年に建てられた歴史あるアールデコ建築のビルを再利用した、ショップ、レストランをはじめ、学校、医療、教会など生活に必要なものが集約されている次世代の未来型コミュニティー。

 

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