フロン排出抑制法が改正へ 罰則強化を検討

2019年1月16日、フロン排出抑制法における代替フロンの規制を強化する方針が環境省と経済産業省によって固められました。

昨年12月に環境省がまとめた調査結果によると、エアコンや冷蔵庫などの冷媒に使う代替フロンについて、機器の廃棄時に63%が回収されないまま処分されていることが判明しました。環境省は地球温暖化対策の遅れにつながるとみて、これまでより厳しい罰則を業者に科す検討に入りました。

 

1. 環境省の調査結果(2018年12月)

オゾン層を壊す特定フロンに代わって普及している代替フロンは、冷蔵庫や空調などで広く使われています。しかし代替フロンの温暖化効果はCO2の数百~1万倍に上るとされているため、廃棄時に都道府県が指定する回収業者が引き取り、冷媒を抜き取るという処分方法を義務付けています。

環境省が2018年12月、代替フロンであるハイドロフルオロカーボン(HFC)を使った機器を取り扱う約3,500の回収業者を対象に実施した調査では、業務用の中型冷凍・冷蔵庫で未回収率が8割以上、空調は約7割に上りました。

未回収率が大きい結果となった最大の要因は、老朽化した建物を取り壊すときにエアコンなどを取り外さず、専門の回収業者に引き渡さずに廃棄される場合が多いことにあるとみられています。

2. 4つの面からの取締強化を検討

この結果を受け、環境省と経済産業省は1月16日、合同委員会を開き、冷蔵庫や空調の冷媒に使う代替フロンについて、不法に廃棄する業者への罰則を強化する方針を決めました。

具体的には、次の4つの面からの対策、取り締まり強化が検討されました。

(1)業務用冷凍空調機器ユーザーによる機器廃棄時

(2)解体元請業者による建物解体時

(3)廃棄機器引取業者による廃棄機器引き取り時

(4)関係者間の連携促進

 

(1)~(3)の各局面については、冷媒フロン類引渡義務を促進するために、次の取り締まりが検討されました。

 

(1)ユーザーに対し、機器の点検記録の長期保管の義務化、引渡義務違反への直接罰。

 

(2)建物解体前に義務付けられているフロン類使用機器の有無をユーザーへ確認するための事前説明が確実に行われるよう、解体元請業者とユーザー双方に事前説明記録の保存の義務化。また、建物届け出情報の提供要請があった場合の対応、都道府県による解体元請業者への報告徴収や、解体現場への立ち入り調査を可能にすること等。

 

(3)廃棄物・リサイクル業者などが、機器引き取り時に自らフロンを回収するか、回収済みかどうかを確認できない機器については回収を制限すること等。

3. 取締強化の背景と今後

この取締強化の背景には、2016年に閣議決定した地球温暖化対策計画で、フロン類の回収率目標値として、2020年に50%、2030年に70%を掲げていたものの、現状の回収率は10年間、3割台で低迷していることがあります。2020年の回収率50%を達成するために、こうした取り締まり、罰則強化が検討されました。

これまでユーザーは、繰り返し違反しなければ取り締まられることはありませんでしたが、改案では一度でも違反すれば罰則などの対象となります。

本件のパブリックコメント募集は終了しており、今後、国会での議論、所定の手続きを経てフロン排出抑制法が改正される見込みです。

 

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