チラープラントの信頼性を向上させる標準作業とプリエンジニアリングシステム

設計段階

重要なシステムを開発する場合、設計者やエンジニアは、信頼性が証明されているシステムや設計を導入したいと思うのは当然のことです。しかし、過去の設計がそのまま新しいシステムに反映されることはほとんどありません。プロジェクトに特化したレイアウトやシーケンスの設計を支援するツールを利用することで、設計の成功に貢献することができます。さらに、設計済み、実績あり、テスト済みのシーケンスやシステムを、モジュール方式で構築し、全体設計を得ることができるツールがあれば、設計段階での時間短縮と信頼性向上に大きく貢献します。

ウェブベースの無料リソースであるTrane® Design Assist™（英語）を使えば、設計者やエンジニアは何百ものサブシーケンスやシステムから選択し、何千もの異なる組み合わせのシステムを作成することができます。ツールの構成選択を通じて、実証済みの方法や規格を採用してこれらの設計を実施し、あらゆるプロジェクトのニーズを満たすために設計仕様をカスタマイズします。Trane Design Assistでは、ガイド仕様、操作シーケンス、ポイントリスト、フロー図など、複数の設計資産を作成することができます。制御とシステム設計が実績のある要素で実施されていることを知って頂き、信頼性の高いプラントの安定した基盤が設定されることでご安心頂けます。

実行・プログラミング段階

設計図書を手にした後は、いよいよ現場で設計を実行に移します。この段階では、プログラミングや制御シーケンスの実装が始まります。設計段階と同様に、設計段階と実行段階をつなぐ信頼性の高いツール群を持つことが重要です。Trane Design Assistから構成されるシーケンスとレイアウトは、設計者のスピードと信頼性を高めるだけでなく、実装されるプログラムとアプリケーションが調和して構築されているため、プラントプログラマーのスピードと信頼性も向上させることができます。プロジェクトやプラントの複雑さに合わせて構築できるモジュラー・プログラムの大規模なライブラリを使用することで、設計段階で指定された通りのカスタム・シーケンスを作成することができます。

運用段階

柔軟なプログラミング・ライブラリと組み合わせることで、プリエンジニアリングによるシステム制御は、制御システム全体のオーケストレーターとして、実に有利に働きます。再現性のある設計済みコンポーネントを持つことは、信頼性に大きく貢献します。使いやすい同期インターフェースを備えたTran Tracer SC+には、チラープラントコントロールなど、システムコントロールの基盤となるいくつかのアプリケーションがあらかじめ設計されています。これらのアプリケーションは、事前にプログラムされ、徹底的にテストされ、文書化され、拡張性、再現性、そして簡単に適用できるように製品に組み込まれています。これらのアプリケーションのドキュメントは、ユーザーインターフェースに含まれるだけでなく、ハードコピーや電子文書でも、オーナーやオペレーターがアプリケーションの順序や操作を容易に理解できるようにすることで、システムの信頼性に大きく貢献することを無視してはいけません。

このように、事前に設計されたアプリケーションを堅牢に文書化することで、設計段階から実行段階、そして現在ではシステムの運用状態まで、システムの信頼性を高めることができるようになったのです。

試運転段階

また、プロジェクトの試運転を確実に行うことも重要なポイントです。設計書、信頼性の高いプログラミング・ライブラリ、設計済みのシステムアプリケーションとアプリケーションドキュメントを使用することで、試運転の段階をより簡単に実行することができます。設計段階で最初から分かっているシーケンス文書があり、プロジェクトを通じて、設計シーケンス通りにプログラムすることで、試運転のスピードと信頼性を高めることができます。前述のツールや資産に沿った試運転プランを持つことは、プロジェクトのこの段階での成功に大きく貢献します。

信頼性の高いプラントを実現するための上記の一連のプロセスは、リスクを最小限に抑え、品質と信頼性を確保するために、共通の標準ツール、標準メソッド、標準文書に依存しています。Trane Design Assistは、実証済みの業界標準を提供すると同時に、各々の冷水プラントの独自性を実現するため、このプロセスの中心となるでしょう。

英文の同記事を読む　Read this article in English