室内環境の向上で健康リスクを軽減~トレイン・エアクリーニングシステム(TACS)~

建物の管理において、室内環境の向上はテナントの維持、働く人々や来訪者の安全・衛生を確保するための非常に重要な要素となりました。

多くの建物オーナー、管理者の方々は、できるだけ大規模なHVACシステムの改造をすることなく、IAQ(室内空気質)を最適な状態に改善することができる高性能な空気清浄機を導入することをご検討されているのではないでしょうか?

この課題へのソリューションは、トレイン・エアクリーニングシステム(TACS)にあります。

トレイン・エアクリーニングシステム(TACS)とは?

TACSは、ウイルス、カビ菌、バクテリア、PM2.5に含まれるVOC(有機化合物)の無効化又は分解をします。既に多くの空間環境改善に採用されています。作用と効果は一般的な市販空気清浄機に似ています。TACSはUVGI(紫外線照射)* とPCO(光触媒)** との組み合わせと電気集塵システムがあります。UVGI(紫外線照射)とPCO(光触媒)は特に大空間の室内環境改善に効果を発揮します。

本章ではUVGI(紫外線照射)とPCO(光触媒)の概要について解説します。

* UVGI(紫外線照射):Ultra Violet Germicidal Irradiation.

** PCO(光触媒):Photo Catalytic Oxidation.

システム構成とメカニズム

 

システム構成例

1:レターンエア+外気 2:フィルター 3:冷温水コイル・加湿器 4:UVGI+PCO 5:送風機

TACSのシステム構成例

PCO(光触媒)の不活性化メカニズム

PCO(光触媒)の不活性化メカニズム

光触媒に紫外線(Cバンド波長253.7 nm)を照射することにより電子(-)と正孔(+)とに別れ、空気中の水との電子の受け渡しにより、OHラジカルになります。このOHラジカル(ヒドロキシラジカル)が有害物質に付着して、表面のタンパク質を変性し、不活性化を促進します。TACSは対象空間からAHUに取り込まれた空気を効率よく浄化し菌の不活性化を行います。光触媒による副産物は、微量のCO2と水分だけです。

 

紫外線照射(UVGI)効果

「C」バンド(UVC)(理想的には253.7 nm波長)の紫外線を利用して、DNAやRNAに損傷を与え、バクテリア、ウイルスなど、一般的に建物内で検出される微生物を不活性化します。

 

効果が期待できる物質

● ウイルス、カビ菌、バクテリア、PM2.5に含まれるVOC(有機化合物)  

● 有機化合物分解による臭いの減少効果

浮遊菌の除菌効果

 

MS2ウイルス* を使用した試験結果

浮遊菌の除菌効果

* インフルエンザA型ウイルス(H1N1を含む)の刺激剤として一般的に使用される大腸菌バクテリア

 

結論

トレインのソリューションは、コロニー数を5分間で78%、10分間で89%、15分間で95%削減しました。このことは、テストチャンバー内で放出および再計算されたウイルス汚染物質の自然減少率(「TACSオフ」として表示)に比べ減少率が高い結果となりました。

TACSの特徴

 

  • 多数のHVAC用途で実績が豊富。
  • ウイルス、カビ菌、バクテリアの作用を抑制・不活性化します。
  • PM2.5などに含まれる大気汚染物質の分解に効果を発揮します。
  • 殆ど副産物を生成しないため、環境にやさしい。
  • 可動部品がなく、メンテナンスはUVライト交換のみとなります。
  • 圧力損失が少ないため、送風機への影響が小さい。
  • 学校、ショッピングモール、オフィス、空港など、利用者の密度が高い建物に適しています。

AHUへの組み込み例

 

AHUへの組み込み例

プラグイン型モジュール

トレイン製品、お客様のダクト、ファンコイル、AHUに適したタイプ、サイズを選択、後付可能なタイプです。

プラグイン型モジュール

関連機関も推奨

「UV照射装置は細菌やウイルスを殺菌するには効果的ですが、これはヘルスケア施設に適したソリューションです。」

出典:2020年4月3日 REHAV(欧州HVAC協会連合) Covid-19ガイダンスドキュメント

 

「…特に待合室、刑務所、シェルターなどの危険度の高いスペースでの感染防止のために、UVGI(紫外線殺菌装置)を検討してください。」

出典:2020年5月 ASHRAE(アメリカ暖房・冷凍・空調技術者協会)ジャーナル