危機管理計画策定の8つのステップ

2012年8月28日、ハリケーン「アイザック」が接近する中、ルイジアナ州南中央部にある地域病院の管理者たちは頭を悩ませていました。しかし、ハリケーンの影響で電気や空調設備が使えなくなるという心配はしていませんでした。ハリケーンの影響で病院の地域が停電しても、すでにレンタルの発電機を設置していたため、照明、空調働、救命医療機器の作動を維持することができました。

この病院では、電力と空調の危機管理計画が事前に立てられていたため、施設管理チームは臨時の電力と空調機器のパートナーに連絡を取り、約24時間で発電機を設置して施設に電力を供給する準備を整えることができました。

 

どのような業界であっても、包括的な危機管理計画の一環として、電力および空調の緊急時対応策を策定することは非常に重要です。自然災害によるものであれ、その他の問題であれ、電力や空調の中断は、数百万ドル(数億円)の損害をもたらし、業務を混乱させ、関係者の信頼を損ないます。効果的な電源および空調の危機管理計画を策定することで、経済的なリスクを最小限に抑えるとともに、建物の利用者の健康と安全を守り、組織とその関係者に安心感を与えることができます。

実際、危機管理計画策定は非常に重要であり、一部の保険会社では、事業継続のための保険を提供する条件として、企業に正式なプランの作成を求めています。

では、何から始めればいいのでしょうか?ここでは、危機管理計画を策定する際に考慮すべき8つのステップをご紹介します。

1. 財務上の影響の分析 - 電力や空調サービスが停止した場合の財務上の影響を分析します。経験豊富なコンティンジェンシー(危機管理)・サービス・プロバイダは、計画外のダウンタイムにかかるコストを見積もる手助けをしてくれます。これは、危機的状況下での機器の修理費用をはるかに超える可能性があります。想定外の追加費用には次のようなものがあります。

  • 完成品や在庫の紛失
  • 労働者の生産性の低下
  • サービスレベルの低下
  • お客さまや患者さまの損失
  • 収益やビジネスチャンスを逃す

 

2. 潜在的なリスクの特定とランク付け - 自然災害、停電、機器の故障、妨害行為などの潜在的なリスクを特定することで、想定されるシステム障害の範囲を決定します。そして、それらを以下に基づいてランク付けします。

  • 確率
  • 通常のオペレーションに影響を与える可能性
  • 付随の財務費用

 

3. 不可欠なシステムを評価し、今すぐパフォーマンスの問題に対処する - 以下のような重要な機器の監査を行います。

  • ミッションに不可欠な電源および空調システムの特定
  • 現在の動作状態の評価

その結果をもとに、パフォーマンス上の問題に対処し、潜在的な障害点を記録します。一般的に企業は、エネルギーサービス会社(ESCO)やその他の第三者の専門家に監査を依頼する傾向にあります。

 

4. 優先順位と重要なプロセスを特定する - 専門家を危機管理計画に参加させ、お客様の重要な業務と収益にとって最も重要な設備エリアを特定します。これにより、予定外のサービス停止が発生した場合に、重点的に取り組むべきエリアが明確になります。

 

5. 機器の配置と接続方法の決定 - 現場で仮設機器を配置するのに最適な場所を探し、その機器がどのように建物に設置、接続されるかを事前に把握します。これにより、以下のことが可能になります。

  • 潜在的な課題の洗い出し
  • 設置、接続場所の事前準備
  • 必要な許可証の手配

さらに、現在の電気サービスが、冷水システムや補助的な空調ユニットなどの一時的な機器を作動させるのに十分かどうかを判断する必要があります。災害時に迅速に対応するためには、電気、水道、空調などの設備との適切な設置、接続を準備しておくことが何よりも重要です。

 

6. 結果をまとめる - 集めたデータを使い、要件、アクションステップ、関連するコストとその配分の概要をまとめます。

 

7. チームのメンバーを確認する - 緊急時対策を最終的に決定し、必要に応じて実施できるようにしておきます。効果的な電源および空調の危機管理計画の策定と実施を支援するために、第三者の危機管理計画コンサルタント、一時的な設備プロバイダー、またはその2つの組み合わせなど、責任と経験のあるパートナーを特定することを検討してください。

空調業界の危機管理計画におけるトップコンサルタントは、完全で効果的かつ有用な危機管理計画を開発し、すぐに適用できるようにするための実績あるツールを提供します。そのためには、機器の在庫が豊富であること、利便性の高い場所に立地していること、そして、世界水準のレスポンスタイムと高い顧客サービスレベルと実績があることが重要です。

 

8. 実践、実践、実践 - 役割と責任を明確にし、トレーニングを行います。

  • 危機管理プロセスを検証し、改善すべき点を特定するための訓練の実施
  • 必要な建物の変更を事前に行う
  • 毎年、または建物の変更や拡張など、施設の大幅な変更に合わせた計画の更新

危機管理計画の策定に時間とお金を投資すれば、最初の使用時に数倍の利益を得ることができます。実際、効果的でよく理解され、広く共有されている危機管理計画を維持することは、さまざまな面で利益をもたらし、以下のことを可能にします。

  • サービス停止の最小化
  • 資本損失の削減
  • より早く正常なオペレーションの維持・回復

危機管理計画は、ビジネス、顧客、従業員、その他のステークホルダーに安心感を与える、非常に必要なツールです。