チラーで脱炭素を実現する4つの方法

HVAC最適化システムの新規導入や交換の際に、二酸化炭素排出量を削減するために考慮すべき4つの要素をご紹介します。

脱炭素化。それは温室効果ガス(GHG)排出量の減少または排除を意味し、2023年以降に新規または更新するHVACシステムにとって一番の課題となり得ます。 世界中の温室効果ガス排出量の約15%は、冷暖房システムに起因しています1。良いニュースとしては、新規または更新用のHVAC最適化システムに効率的で低炭素なスキームを利用することで、その影響を大幅に削減することができるということです。

ここでは、二酸化炭素の影響を減らすために考慮すべき4つの要素を紹介します。

1. エネルギー効率

エネルギー効率とは、同じ(またはより良い)結果を得るために、より少ないエネルギーを使用することです。実際、最新のチラーの効率やチラープラントの制御の改善により、数十年にわたりエネルギー使用量が減少しています。エンジニアリングシステム設計のベストプラクティスは、チラーやそのシステムコンポーネントの能力と利点を最大限に引き出すことです。ESGのネットゼロ目標に向けた取り組み、地域の規制や建築基準法への準拠、運営経費の削減など、エネルギー効率の向上は解決策の一部となり、その大きな一端を担っているのです。トレインでは、ビジネス目標に合わせてさまざまなレベルの性能のチラーがあり、フリークーリングや熱回収のオプションも用意していることをご存知でしょうか。磁気軸受式コンプレッサー、可変速ファン、フリークーリング、熱回収などの機能により、エネルギー使用量をさらに削減することができます。

 

2. 熱源の電化

電気暖房により、建物の蒸気やボイラーシステムが化石燃料を燃やしたときに発生する直接的な二酸化炭素排出を削減することができます。電気自動車と同様に、HVACシステムも、よりクリーンな再生可能エネルギー源からのグリッド電力の利用に移行しています。市場には多くの革新的な電気加熱方式が登場しており、例えば、トレインのチラーの多くは、電気暖房を提供することができます。私たちはこれを「チラーヒーター」と呼んでいますが、熱回収を応用することで、事実上、どのような天候下でもあらゆる建物で、効率的に、安定的に快適性を実現することができます。蒸気圧縮機の改良により、新しいヒートポンプ、冷暖房同時型のマルチパイプユニットも登場しました。

さらに、これらのシステムをこれまで以上に簡単に設計できるようにすることで、エネルギー効率と電化の両方をさらに一歩進めています。Trane Design Assist™を使えば、エンジニアは信頼性の高い高性能なシーケンス制御、フローチャート、ポイントリストを作成し、システムが脱炭素化の目標を達成できるように手助けします。

 

3. 冷媒管理

私たちの業界は、冷媒によるオゾン層破壊の影響を減らすことに対してひときわ注力しています。最適な冷媒の選択肢があり、現在の規制や研究に基づいて優先傾向が変化し続けています。トレインのような信頼できる業界のパートナーは、地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒を使用するチラーの影響について理解する際にお役に立てます。また、サービスプロバイダーが冷媒の安全な取り扱いと適切な文書化の手順を守っていることもご確認ください。

 

4. 再生可能エネルギー

ビルの脱炭素化には、クリーンなエネルギー源、そして再生可能エネルギーと冷暖房需要の間にあるギャップを解消するためのエネルギー貯蔵システム、またはバッテリーが必要です。その解決策は、驚くほどシンプルな「氷蓄熱」です。この熱エネルギー貯蔵は、氷を使って、再生可能エネルギーを多く得られる時に収集・貯蔵し、リアルタイムでの供給が減少した際に放出するものです。例えば、風力ではそのエネルギーを凪の時に備え蓄えることができます。あるいは、太陽エネルギーでは、夜間や曇りの日に使うためにそのエネルギーを取り込みます。熱エネルギー貯蔵は、信頼性が高く、長い歴史を持つ仕組みですが、HVACシステムの脱炭素化のために非常にクリエイティブな方法で応用されています。

脱炭素化がうまくいけば、より気候に優しく、より快適で、より経済的な建物を実現することができるのです。脱炭素化の旅を始める準備ができたましたら、トレインがお手伝いします。お客様の旅路はそれぞれ異なり、私たちはお客様の組織の目標に合った戦略の策定をお手伝いします。

 

1. “How to heat up – and cool down – climate innovation”. Feb 2022. World Economic Forum Blog.

 

(ご参考)

水冷スクリューチラー|トレイン・ジャパン株式会社 (trane.com)

熱回収型ターボ冷凍機|トレイン・ジャパン株式会社 (trane.com)

フリークーリングターボ冷凍機|トレイン・ジャパン株式会社 (trane.com)

VAV方式 可変風量システム|トレイン・ジャパン株式会社 (trane.com)

 

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